南瓜の馬車 〜いいわけでも許して〜

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電車内の携帯電話使用によるペースメーカー関連のトラブル体験

毎日電車通勤をしているとストレスが半端ないよね。音楽を聴いて目を瞑っていても良いんだが、優先席にいる以上、そんなこともできない。まあ、イライラしないような強い心を持てば良いんだろうが、50を過ぎてなおその境地には立てない。
んで、今日はその中から携帯電話とペースメーカーの体験をば。
 
さて、8月28日の総務省の報道資料に以下のものがある。
 
「各種電波利用機器の電波が植込み型医療機器等へ及ぼす影響を防止するための指針」の改訂及び意見募集の結果
 
ここに詳細としてPDFファイルが掲載されているが、携帯電話のペースメーカーへの影響について、一部指針が変更された。僕は都内に通勤していて、電車では「優先席付近での携帯電話の利用は・・」なんてアナウンスを散々聞いてきていたが、やっと「ほぼ」影響がないことを追記している。個人的には「ほぼ」なんて言わずに影響がないと言い切って欲しいところだが、責任とか言われてしまうと及び腰になってしまうのは誰でも同じだろう。まあ、そこを推して欲しいわけだが。
 
ちなみにこの手の議論や報告はたくさんあって、今の15cmについては2013年に報告がある。三菱総研の下記の記事とリンク類を見ても良いだろう。
 
携帯電話の15cmガイドラインと電波環境の変化
 
被害妄想も含めて心因的なストレスを排除することはとても難しいだろうと思うけれど、それでも地道に啓蒙活動をしていくことは大切だと思う。
 
で、これを見てちょっと思い出した、過去の自分が見た3つのトラブルを書いてみる。
 
 
いきなり突撃してきたおばさん
ひとつめは、もう10年ほど前のことだと思う。
ある日僕は京浜東北線に乗っていた。車両の構造を分かる人なら理解できるだろうが、車両の連結部分のある一番端に60歳前後とおぼしき小柄で神経質そうなおばさんが乗っていた。車両は昼間でずいぶん空いていたのだが、その時、その隣のブロック、車両で言うと中央から若干おばさん寄りの若いサラリーマンが携帯を取り出して開いたその瞬間。おばさん、それを発見するともの凄い勢いですっ飛んできて若者に向かい
 
「なんてことしてるんですかっ!ここは電車内なんですよ!こんなところで携帯使ってて、ペースメーカーを付けている人がいたらどうするんですかっ!命に関わるんですよ!責任とれるんですかっ!!」
 
と車両内に轟き渡る声で叫んだ。距離で行ったらどのくらいだろう?20mくらい?電車内はガラガラで彼の周囲には人はいない。その時代でもガイドラインでは22cmだったはずだ。怒鳴られた若者はあっけにとられておばさんにポカーン・・とした顔を向け、数秒後に「す、す、すいません!」と携帯電話を仕舞った勢いに押されたんだろう。もちろん僕も若者と同様な顔をしていたんじゃないかと思う。無知がなせるワザだとは思いつつ、反論する気にもなれず危険物認定しておばさんが降りるまでジッとしていた。
 
白装束の夫婦
これは5年ほど前のことだと思う。優先席に座る僕の目の前に、白装束に身を包んだ50代後半くらいの夫婦らしき人たちがいた。錫杖とも言えそうな大仰な杖を持ち、そこには障害者タグ(赤色で白抜きの十字とハートマークがある)をべたべたとたくさん付けていた。障害者タグってそんなにたくさんもらえるものだろうか?とも思ったが、とにかく見た目が異様だったので近くには誰も寄らない。そんなとき、その席とは逆方向のドア付近にいた青年がスマホ?携帯?を出したらしい。その瞬間、夫と思われる男性が
 
「そこ!携帯をサッサとしまえ!優先席近くだというのが分からんのかっ!」と雄叫びが。
 
あまりに大声だったので周囲もビックリして白装束のおじさんを凝視。青年もビックリして一瞬固まってから携帯をポケットにしまった。しかもだ。その夫婦は駅で乗り込んできて人たちが携帯を取り出す度をい同じことを繰り返し、降車するまでそれは続いた。いわゆる「電磁波過敏症」なんだろうと思うけれど、あそこまでくるとヤクザもんでも敵わないんじゃないかと言う迫力。これも一生忘れないだろうな。ちなみに青年までの距離は5mほどじゃないだろうか。
 
優先席を占有する太った男
これは割と最近。と言っても2年くらい前だと思う。やっぱり優先席に乗っていたときのこと。目の前にはアロハと短パン、金髪で口ひげを生やした40代前半くらいの太った男。背はそんなに高くなさそうだから、おそらく110kgくらいだと目測。大股を広げ、腕は背もたれに乗っけて2人分の席を占有していた。その時は立ってる人も少しだけいたんだけど、隣にいるらしき同じような風体の痩せた男と「昨夜飲み屋行ってよー」みたいな会話をしてる。その太った男の会話がふと止まった。そして、目の前にいる僕の隣にいるサラリーマンに向かって
 
「あー、あんた。そ、あんた。俺、ペースメーカー入ってんだよね。スマホ、止めてくんない?」
 
と声を掛けた。まあ、確かにその時には「優先席では携帯電話の電源を切れ」とある。サラリーマンはやっぱり気が弱そうな男だったので、すぐにスマホをしまって下を向いてしまった。それはそれとして、目の前の太った男を見て、「ンなこたぁどうでも良いが、そんな座り方しないで普通に座れよ、お前が迷惑だ。それにペースメーカーって本当か?」と思った。まあ、ペースメーカーの真偽を確かめるにもトラブルが大きくなるのはイヤだったし、通勤途中だったのでそのままやり過ごしてしまったが、ああいう場面で障害者手帳を確認するようなこともできないだろう。ひどくイヤな気分にとらわれて「ほー、良く日焼けして健康そうなのにペースメーカー入ってんだな。そんなヤツ、初めて見たわ。」と言いたい気分としばし戦うことになった。結局、殴り合いにでもなって怪我をしてもイヤなので言わなかったが。
 
 
自分が記憶に残っているトラブルはこの3つくらいかな。ペースメーカーは関係なく、混雑でスマホ弄ってる女性とサラリーマンの言い争いとか、車内で通話しててケンカになったのは何度か見たことがあるが。
これも含めて明確な指針を示すのはとても大切なことだと思うし、マナーの悪くなった人が激増している世の中も再確認するわけだけれど、なんかこう・・もっと気持ちよく毎日が過ごせないもんかな・・と思うのであった。
 
追記
そうそう、歩きスマホも法律で禁止にして欲しいな。僕は足が悪くて完全には真っ直ぐ歩けない。多少左右にフラついているわけだ。なので何度も歩きスマホを避けきれずにぶつかったり、足や杖を引っかけられたりして痛い思いをしてるから。ちなみに、ほぼ毎日。毎月とかじゃなくて毎日。